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《MUMEI》 へ？ 余りに小さな声に俺はその人がなんて言ったのか良く聞こえなかった。 「ﾅｲｽﾄｩﾐｰﾄｩ…。」 取りあえず、相手が人間では無いから……英語で自己紹介した。 すると、 「ククク…やっぱ人間ってバカだな。」 「へ？」 アレ！？ 日本語…！！？ 「わざわざ日本語使ってやってんのに。」 「あ、えと……すみません…。」 「でもまあ、人間にしちゃあ、珍しいな。」 そう言って床にドカッと座る。 いつの間にか床一面、血の海だった筈なのに…跡形も無く消え去っている。 そんな俺の心理を知ってか知らないか、その人は更に言葉を続けた。 「何故この俺を助けた？」 「え…何故って……」 何でだろう。 取りあえず助けることしか頭に無かった。 「理由も無く助けたのか？」 「……はい…。」 それを聞いて、その人はフッと笑みを漏らした。 うわっこんな笑い方するんだ。 「申し遅れた。 俺の名はグレイド。 さっきはすまなかったな。」 そう言ってスッと手を差し出して来た。 「いっいえ、俺は杉本拓也です。」 そして差し出された手を力無く握り返した。 ん？ 前へ |次へ |
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