《MUMEI》

俺は愚かだ。


愚かでマヌケで意気地なしの大馬鹿者だ。

なぜ、
俺は七生の首に鎖を掛けられたのに。
七生の手が俺の首に掛かればいとも簡単に捕まるのか。

俺の身体は七生に抱擁されて悦んでいる。



「 ぁあっ…… 」

なんて馬鹿正直に反応するんだ俺は。

行き場の無い指が俺の迷いを示してる。
七生の腕と鼓動に潰されてしまう……

そう、鼻先にキス……しなくちゃいけない。

舌がちろりと
七生の鼻に近付くと嫌に俺の熱っぽい尖端を伸ばし
嘗め


そんなものが箍を外した。

嫌な熱、これじゃあまるで年中感じたいみたい。
七生の指は雄々しく髪を、頭を絡め取ってしまう。

腰椎が痺れる。

これじゃあまるで、俺は七生に触られたがっているみたいな……

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