《MUMEI》

確かに自分の部屋にいたはずなのに・・・。

(日本・・・じゃないよね、名前からすると・・・)

イェンシン
ティエン
ベンジョン

そして――ヘイフォンホァン。

ヘイフォンホァンが名前かどうかは知らないが、少なくとも最初に聞いた三つの名は日本名とは言い難いだろう。

(あと・・・ハオシャンダァレンって言ったけ・・・)

そうだ――中国だ。

中国の言葉で、『ダァレン』は『大人』――即ち、権威のある男性に向けられる尊称ではなかったか?

(ハオシャン『大人』って事かな・・・?)

しかし、此処が中国とは一概に言い難い気がした。

あの化け物にしたって、あの手から炎を出す男にしたって、現代中国でも、昔の中国でもそうそういないだろう。

(どうなってんの・・・?)

あの歌声、あの携帯サイト・・・。

何か関係があるのだろうか。

恵は寝台から降りた。

自分の置かれている状況が知りたかった。

心中ベンジョンに謝罪しながら、そっと部屋を出る。

建物は木造が主体で、黒々とした黒檀が、廊下にも壁にも使われている。
古い年代物の屋敷の様に思えた。

恵はそろそろと廊下を歩く。

裸足に、ひんやりとした木の感触が気持ち良かった。

窓が一つもない処を見ると、地下か屋敷の奥なのだろうか。

暫らく歩くと、僅かに開いた紫檀の扉が見えた。

中から話し声がする。

恵は、そぅっと中を覗く。

部屋の中の寝台に、誰かが横たわっているのが見えた。

顔に白い布が掛かっている。

『彼女とベンジョンを守ろうとして・・・』

話し声が聞こえた。

(『彼女』ってあたし・・・?)

じゃあ・・・

横たわっているのは、あの時あの怪鳥にやられた・・・?

『イ尓的事不忘記。(ニ- ダ シ- ブ- ワン ジ- )
お前は本当に良くやってくれた』

イェンシンとかいう男の声だ。

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