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《MUMEI》 青天は、お茶を恵の前に置き、全員に配り終えてから、筆記用具を持って来た。 「好――恵、これに名前を書いてみてくれ」 恵は、紙に『池田 恵』と書いて、好象大人に渡した。 「ふむ・・・やはり漢字か。生年月日と年は?」 「1988年の5月16日。19歳、です・・・」 「昭和63年ですね」 青天の言葉に驚いた。 この人達は、自分のいた世界を知っているのだろうか? 「昭和の末年は、確か64年・・・10日足らずで平成になった・・・間違いねぇな」 「あのっ・・・」 「あぁ、すみません。今からお話します」 青天は、金惠から紙を受け取り、そこに何かを書いて、恵に差し出した。 「・・・『天藍国』?」 書かれた文字を声に出して読むと、好象大人が頷いた。 「好――『てんらん』ではなく『ティエンラン』だ」 「ティエンラン、国・・・」 もう一つ頷くと、好象大人は語り出した。 この国の始まりとなる物語を・・・。 遥か太古の昔、大宇宙に燃え盛る太陽に、一羽の鳳(フォン)が、生まれた。 鳳は孤独だった。 そこで、生まれたばかりの星を見つけ、その星の混沌を治め天と地を作った。 始めに――天に『命』を与えた。 天に生まれた『命』達は、様々な特殊能力を持ち、栄えたが、天の環境に不向きな物は死に絶えた。 のみならず、鳳の存在に気付きはしていたが、特に気に留めるでもなく、愛してくれる事もなかった。 次に、地に『命』を作った。 地の『命』達は、環境に適合すべく変化を始めた。 地の『命』は最初、後に『細胞』と呼ばれる微生物として生まれ、長い月日をかけ、進化を遂げた。 鳳がはばたき、その翼から雷を発すると、地に落ちた雷は『炎』となり、『命』――取り分け『ヒト』とされる種族に様々な文化を生み出させた。 前へ |次へ |
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