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《MUMEI》 しかし――天の『命』達の様に、特殊な能力を持つものもいたが、やはり鳳を気に留める事も、特別に愛する事もなかった。 鳳の孤独は増した。 次に、鳳は天と地の狭間に世界を作った。 後一歩で世界が完成するというその刹那――地から『謳』が聞こえてきた。 鳳は『謳』の主を求め、地へと舞い降りた。 地では、一本の巨大な桜の木の下で一人の娘が歌っていた。 主を見つけた鳳は、娘を天地の狭間に創造した世界へと誘った。 鳳と娘は程なくして愛し合い、鳳は娘に凰(ホァン)という名を与えた。 鳳と凰はその世界に空の色を現す『天藍』(ティエンラン)という名を与え、中央を『皇天』(ホァンティエン)とし、周りに八つの国を作った。 鳳と凰の子はその世界の初代皇帝となり、治世を布いた。 世界を皇帝である我が子に託し、鳳と凰は舞い上がった。 瞬間、鳳と凰は一つとなり、光り輝く美しい炎の鳥――『鳳凰』(フォンホァン)となった。 一体化した鳳凰は、宇宙へとはばたき、太陽に飛び込んだ。 沢山の火の粉が燃え飛び、飛び込んだ場所と、火の粉が落ちた場所は太陽の中で最高温度に燃え上がり、黒く染まった――これが、黒点である。 鳳凰は、黒点の色から、自らを『黒鳳凰』(ヘイフォンホァン)と号し、太陽を住みかとし、天藍に凶事あれば、我が子や、その子孫の元へ降臨した。 太陽の黒点が約11年毎に現れるのは、黒鳳凰が太陽を抜け出し、宇宙を自在に飛び回るからだと言う・・・。 「・・・『黒鳳凰』(ヘイフォンホァン)?」 恵は、呟きながら焔星を見た。 目が合うと、焔星はついっ、と横を向いてしまった。 「『黒鳳凰』は焔星の通り名でもあるんです。 恵も見たでしょう?彼の力を」 「――好きで呼ばれてる訳じゃねぇ」 青天の言葉を聞いた焔星が、憮然として言った。 「えっと・・・此処の人達は皆あんな力を・・・?」 前へ |次へ |
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