《MUMEI》 「ど、どうしたんですか?!」 グレイドは何かを堪える様に、グッと顔を歪ませている。 「チッ、まだ痛みやがる。」 そう言って俺にグルグル巻きにされた羽根をみた。 「おい、拓也。」 「は、はいっ!!」 「ちと傷が癒えるまでここに居さして貰うぜ。」 「え…?あ、はい。」 グレイドは、俺の返事を聞くと、微かに微笑んだ。 「人間も捨てたもんじゃ無いな。」 そう言うと、コウモリの様な翼で、自分の体を包んでしまった。 シ…ン……。 「眠った…?」 再び俺の部屋に静寂が訪れていた。 前へ |次へ |
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