《MUMEI》 「‥‥‥‥‥‥‥」 新木は何も言わへん。 しゃーないからお弁当隣りに置いてやった。 「ほ‥‥‥ほなウチ、先教室戻ってるな」 そない言うと‥‥ 逃げるみたいにドアに向かって走った。 ドアの向こうについてやっと──‥ 「はぁ‥っ」 ウチは立ち止まった。 ドアに寄り掛かって── まだ高鳴っとる心臓の音を煩く思いながら‥‥‥ 今あいつはお弁当開けてくれたやろか‥‥ そんな事を考えとった。 前へ |次へ |
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