《MUMEI》
翡翠の勾玉
◆◆◆

最近‥

気になる事がある。

あいつは時々懐からあるもんを出して眺めてる。

緑色の勾玉。

あれ‥

何かに使うのか‥?

「‥なぁ」

「久々に何か出た?」

「いや、ただ‥それ──」

「ん、これ‥?」

「誰かに貰ったのか」

「ええ。祖父からね(微笑)」

「お前の祖父さん‥?」

「ええ。神主をやってた」

「何で勾玉なんか──」

「これはね、翡翠で出来てるの」

「翡翠‥?」

「ぇぇ‥」

玖珠は少し空ろな目をして勾玉を見つめた。

◆◆◆

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