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《MUMEI》 ｢余計な口をきくんじゃない。塞ぐぞ？｣ 千秋様が分厚い本のノドで僕の鼻先を突いた。 なんだか、千秋様が寂しそうだ。(と思う。僕からは千秋様の顔が見えない。) ｢僕、……千秋様と家族みたいになれて嬉しいですっ……｣ だから、寂しいなんてことはありません千秋様…… ｢下らんな。 家族なんて無くても何も変わらない……変わらない。｣ 逆光で陰る千秋様の威圧感は重い。 ｢千秋様は千秋様ですけれど……僕には千秋様はお兄様です……それくらい千秋様の存在は大きイダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ！｣ 頭部を本の角で連続攻撃された。 ｢……頭を痛めているのに背中が伸びるのか。タマ、思い上がるな？俺に弟は一人だけだ。｣ 背中の毛を掴まれた。また伸びそうだ…… ｢千守さんですか……？｣ ｢お前に関係無い｣ 背中の毛を毟られた！ ブチブチじゃなくて、ミリミリって鳴った！ ｢イダーーーー！｣ また眉毛伸びた……！ 前へ |次へ |
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