《MUMEI》

良かった──。

ちゃんと食べてもらえて。

ホンマに嬉しい。

お節介やないか思たけど‥

あげて正解やったな。

心のモヤモヤが──

一気に晴れたような気ぃした。

空のお弁当箱をまた包んで‥‥

そっとカバンにしまった。

まだ誰も来てへん朝の教室──。

窓を開けて軽く身を乗り出すと‥‥

風が頬を撫でていった。

≪ガラッ≫

「!?」

こんな早くに‥‥

誰やろ。

挨拶しよ思て振り向いて‥‥

ウチは固まった。

そこに立っとったんは‥‥‥

あいつやった。

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