《MUMEI》

「「ただいま」」
家に入った周哉と秋穂は、家に誰も居ないことに気付いた。
「あれ?誰もいない」
「どこ行ったんだろう?」
二人がリビングに入ると、周哉はテーブルの上に紙が有るのを見つけた。
「なんだこれ?メモか」
メモには、
「ニンジンが無くなったので買ってきます。弥生」
と書いてあった。
(ニンジンが無くなったのか。今日はカレーだもんな。ニンジンは絶対に必要だよな)
「何て書いてあったの?」
周哉がメモを見ていると、秋穂がメモをのぞき込んできた。
「ニンジン無くなったから買って来るって」
「そっか、今日はカレーだもんね。ニンジンは絶対に必要だよね」
「・・・」
「どうしたの?お兄ちゃん」
「いや、何でもないよ。それよりさ、初めての学校はどうだった?これからやっていけそう?」
「学校?家からそんなに遠くないし、クラスの人達もみんな良い人みたいだし、大丈夫だと思うよ。あ、着替えてくるね」
秋穂はそう言って部屋に入っていった。
秋穂の入っていった部屋、つまり今秋穂が使っている部屋は、昔麻耶が使っていた部屋である。
秋穂が部屋に入ったのを見てから、周哉は自分も着替えようと思い、自分の部屋に入った。

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