《MUMEI》 そして、アパートに帰ると…― 「うわぁ!」 何故か、ドアの前に尚が立って居た! 「大丈夫か?」 「大丈夫か?じゃない!尚がなんでここに居るんだよ!」 もしやと思い、俺は携帯を見た。すると、光っていた… 「メール…入れてたんだ」 「気付かなかったのか?」 尚は呆れ半分な顔をしていた。 「まぁ、上がんな」 そして、俺はドアを開けて、先に尚を上げさせる。 「あれ?少し綺麗になってない?」 やばい!気づいたか! 「あ…ハハハ…うん。少し片付けたんだ。お前がいつ来てもいいように」 俺は自分の部屋に行き、部屋着に取り替える。…が、隣に尚がいた… 「尚…?」 「ん?」 「なんでお前がそこに居るんだ」 「いいだろ?お前と俺の仲じゃないか」 持っていた服を投げつける。 「いいからあっちへ行ってくれ!」 やばい…体が熱い… 「龍也…?」 「あ…後で相手してやるから」 「フフ、そっか」 そして、尚は居間に戻った。 (全く…なんだってこんな事になったんだよ…) 宮に彼女になってもらっているが、やはり、尚と居るほうが心地いい… 「まだかー?」 「今終わったぜ」 尚はまた俺に近づいてきた。 「うん、この服のほうが恰好いい」 「馬鹿」 男に恰好いいと言われてもなぁ… 「また目を逸らすな」 「だ…だって」 近いと…緊張する… 「今更なんだよ、俺と付き合ってるって、認めてもらいたいんじゃないのか?お前だって…」 俺は尚を突き放した― 「え?」 「誰が…好きで…男が好きなわけないだろう…」 やばい、口が暴走してる… 「な…龍也…?落ち着けって!」 「俺は…、何言ってるんだ…違う!本当は好きなわけで…」 たまに起こる暴走…発作的に、起こってしまうのだ。 「龍也!しっかりしろ!」 「…ハァ…ハァ…」 俺は髪を乱し、そのまま座り込んでしまった… 「龍也…」 前へ |次へ |
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