《MUMEI》

心の声『な!何ぃッ!!?』


オレは愕然となった!



なんとトップ争いを繰り広げるオレの背後から黒い人影が現れ、アッと言う間にオレを抜き去っていったのだ!



それは20歳くらいのリクルートスーツに身を包んだ若者だった。


奴はダッシュで女レーサーをもパスすると、真っ先に最左のエスカレーターを駆け登ってゆく!



オレは苦虫を噛み潰したような表情で、その後ろ姿を見送っていた――…。



オレは分別ある大人として、乗り換え時に“走る”という行為を、自らに戒めている。


故にそれが足枷になることもしばしばだ…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫