《MUMEI》

サファリパークで飼われている動物は、本能的にフェンス等の冊沿いに移動するという話を聞いたことはあるだろうか…?



不思議な話だが、動物にせよ人間にせよ、大きな壁面が近くに有る場合、無意識のうちにその壁面伝いに移動する習性が、本能の奥底にすり込まれているものだ…。



我々人間も持つその本能は、永田町の巨大エスカレーターに於いて、奇妙な現象を引き起こす――…。



つまり左側のエスカレーターは、階段を隔てる壁と隣合わせのため、真ん中の一基よりも僅かに混みやすいのだ――…!



消火栓を左側から攻めると、最短距離を通れる反面、混みやすい左側のエスカレーターに通じる人波の流れに乗ってしまう。


逆に消火栓の右側からだと、距離のロスが生じるが、比較的空いている真ん中のエスカレーターにスムーズに乗れるメリットがあるのだ!

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫