《MUMEI》 つまり、オレが辿るアプローチは、遅い人波が作り出す渋滞をパスし、瞬時に早い人波に乗り換えるという高度なテクニックを要求される――…! タイミングを逸すると左側へ追いやられ、長いエスカレーターを昇りきるまで、立ち止まって待つ羽目になってしまう。 まさに動物的な勘だけが頼り――… リスキーだが、上手くすれば大幅なタイム短縮を遂げることができるライン――…! 百戦錬摩の乗り換えレーサーだけが成し得る業だ! オレは女レーサーの尻を睨み(見つめ)ながら、消火栓の左側を通過した! そして彼女のスリップストリームから脱け出すと、人波の僅かな隙を突いて、真ん中のエスカレーターに通じる人の列に合流しようとした…。 ――…その時! 心の声『あ!…あれは!!』 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |