《MUMEI》

エスカレーター右側の列には、先を急ぐ乗り換えレーサー達が我先にと登ってゆく――…。



先ほどのいぶし銀レーサーも、オレを後目に巨大なエスカレーターの遥か上方へと消えていった…。



だがオレは、左側の列に立ちすくんだまま動くことが出来ない…!



心の声『ま!まずい!…このままでは有楽町線の電車に乗り遅れてしまう!


…でも…………!』



――…金髪……パンスト…。


オレの異なる二つのフェチシズムを同時に満足させる、奇跡の女性がオレの目の前にいるのだ…!

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