《MUMEI》

オレはクワッと眼を見開くと、人波の一瞬の揺らめきをフラッシュバックのように瞼に焼き付けた!



するとオレの脳内に、行き交う人々の一つ一つを鷹の目線で見下ろしたバードビューマップが展開される…!



そのマップに点在する人の群れを縫うように、有楽町線ホーム・下り階段へと続く、赤い矢印が伸びてゆく…!



オレの脳内コンピュータが、人波を最も効率よく切り抜けるラインを弾きだした瞬間だった…!



――――…刹那…!


“悪魔の棲み家”が静寂に包まれ、其所に蟲く人の波が、まるでスローモーションのように移ろいでゆく……。



オレの眼差しは、ある一点に注がれた!



心の声『―――…そこだ…!!』

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫