《MUMEI》

後から乗り込んでくる乗客らを車両の奥へといなし、オレはドア付近のポジションをキープした…!



『ドアぁ、しまります……。』


―――…プシュウ…!


ナルシスト風な駅員のアナウンスの後、有楽町線の電車のドアが閉ざされる…!



―――…パラリララララ〜…


音階のようなモーター音を残して、シルバーの電車は加速を始めた…。



―――…ドクン!…ドクン!…


早歩きの直後、心臓は激しく鼓動を繰り返し、火照った身体から汗が吹き出る――…!



心の声『…呼吸を整えろ!


…勝負はまだ終わってない…!』

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