《MUMEI》

◇◇◇

蜜樹君とこのお店で知り合って依頼‥‥

戸を開ける瞬間──

何だか凄くドキドキする。

「み‥蜜樹君、あのね──」

暖簾を潜って出て来た蜜樹君に──

あたしは綿毛とたんぽぽを差し出した。

「おっ、摘んで来てくれたのか?」

≪コクン≫

「せ‥、せっかくだから、見せてあげようと思って──、ゎ‥?」

大きな手に‥

頭をくしゃっとされた。

「ありがとなっ♪」

「──うん(微笑)」

あたしは蜜樹君に笑い返した。

◇◇◇

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