《MUMEI》

「わかった?」


「うん。ニタ〜〜…」


「ギクッ★どーしたの?こないだっから、変な笑い方して?」


「変…かな?やっぱし」


「急に、ニタ〜っとするんだもん。」


「ニタ〜なのか、あたしの笑い方は…なんでヒラヒラ…って感じになんないのかな?」


「ヒラヒラ?」


「ケーコタンの笑い方。花散らして、ヒラヒラ…」


…いっくん…。


「前にも言ったろ!性格が顔に出るんだって。」


「それじゃ〜ニタニタ笑いのあたしは、やらしいみたいじゃない!」


「そ!やらしいの。外側だけ、真似しようとするから。」


恵子だって、特に美人…って訳じゃないんだよな…


それなのに、なんで人気があるのかって言えば…


素直で、飾りっ気のない性格から出る、あの屈託ない笑顔があるからなんだろうな…


…作り物でない自然な笑顔…


「あたしには出来ないな…ちっとも素直じゃないもん…」


「そうだね、好きな野球、無理に止めようとする、いっくんじゃね」


「う…」


「も〜〜☆野球の事は言わないでよ!あたしは勉強に生きるんだから!」

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