《MUMEI》 今日もまた‥‥ ウチは一番最後に教室を出た。 夕陽色に染まった静かな廊下を歩きながら‥ ウチは5限目の最中の事を思い出しとった。 気まずくて‥‥ せやけどやっぱり気になって‥ ちらっと見たあいつの背中──‥ 何か寂しげに見えたんは気のせいやろか‥。 何か言いたげにしとるような気ぃするんは気のせいやろか‥。 ウチが勝手に思い込んどるだけなんやろか‥。 考えれば考える程‥‥‥ 分からんくなってくる。 カラスの声聞いたら途端に寂しなって‥‥‥ 一気に階段を駆け降りた。 前へ |次へ |
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