《MUMEI》
真夜中の嗚咽
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*



――――…同刻…。



出来杉の家からほど近い、とある住居の1階にある、灯かりの落とされた寝室で…



…シク……シクシク……シク……シクシク…。



「…泣き止まないわねぇ…。」


「あの娘も辛いんだよ。今は時が癒してくれるのを待つしかないさ…。」



寝室のベッドに横たわる一組の夫婦は、2階の子供部屋から天井を通して漏れ続ける嗚咽の声に心を痛めていた…。



「…ふぅ………。」


父親は、切なそうに溜め息を洩らす…。



「…可哀想に…………。


……グスン…。」


母親も我が娘の悲しみにつられ、涙を一つこぼした――…。

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