《MUMEI》

「まー恵子ちゃん、いらっしゃい」


ギクッ…
ケーコタンに会いたくない…


「いっく〜ん、恵子ちゃんよぉ」


今のあたしが余計惨めに思えてきそうで…


せめてカッコだけでも…なんて、これだからおに〜ちゃんに怒られるんだな…でも…


「変ねえ?いるはずなのに…最近、いっくんちょっと変なのよね」


「難しい年頃なんですよね」


「そうね、スカートなんて制服以外持ってないあの子が、急にワンピース欲しいなんて言ったり、大好きな野球止めるなんて言い出したり…」


「え?野球止める?!そんな馬鹿な、久しぶりにいっくんとキャッチボールでもしようと思って、グローブ持って来たのに。」


「は?グローブって、恵子ちゃん?」


「ちょっと、いっくんの所へ行って来ます。」


「え、ええ…」
呆気にとられるママ。

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