《MUMEI》

「やあ、おに〜ちゃん」


「鉄ちゃーん」


「ビックリした…いっくんが二人いるのかと思った。」


「え!?」


「こーやって見ると、恵子といっくんって似てんだな。」


「そお?」「へえ!」


…はは…まさかね…


…似てる?


…はは…
ソワ…


「な、なんか自信ついちゃうな…ソワソワ…

あ、あのさ…えっと、その…あたし…ソワ…

練習に行って来るわ。」


「ほっ…やっと、やる気になってくれたか…」


「?」


「難しい年頃になっちまったんだな。おいらじゃ、手に追えなくなってくる。恵子が居てくれて良かった…」


「悔しいわあ」


「え?」


「昔っから、あたしって いっくんに勝てないのよね。」


「何言ってんだよ、ガキの頃からいっくん泣かしてたの、恵子じゃないか?」


「鈍感!」


「何が?!」


「ロリコン!」


…ロ…ロリータ・コンプレックス…
「グサッ…当たってるだけに…」
赤くなる、おに〜ちゃん…

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