《MUMEI》
アイス
夜10時過ぎ
俺「…腹へった…」
 
空腹で眠れない俺は
コンビニへ行く事にした
 
母「優斗、どこ行くんだい?」
 
俺は母を見たまま、無言で怒りをあらわにした
 
母はバツ悪そうに
母「早く帰るんだよ」
ダイニングに消えた
 
父の声がした
「雑誌投げ付けたのが顔に、ぷっ、災難だなぁ優斗」「ぷ、ぷ、ぷ、」
ビール飲みながら笑ってやがる
 
くそっ!腹立つ!
 
 
おにぎり、と、アイスを買って帰ったとき
 
麻美「いい物もってんね」麻美だった
 
俺「麻美、また夜遊び?」 
麻美「エリ達と合ってたんだ」
 
麻美が勝手に俺のコンビニ袋をあさる
 
麻美「いただきまぁす」
 
俺「俺のアイス食うなよ」 
麻美が噛ったあとで
 
麻美「はい」
笑顔で俺に食いかけのアイスを渡した
 
間接キスじゃん…
 
アホか、俺、何ドキドキしてんだ
 
平気な顔して、アイスを食う俺
 
麻美「あっ、間接キスだぁ」
麻美に冷やかされた
 
俺、プチ苛…
麻美を睨んだ
 
麻美「家寄って来なよ、おにぎりだけじゃ淋しいでしょ」
 
 
久々に、麻美の家に上がった
 
どん兵衛を作ってくれた
…お湯入れただけか…
 
エアコンの聞いた部屋で、温かい物も悪くないな
 
ガツガツ食う俺に
 
麻美「エリの事どうするの、エリ、悩んでたよ」
 
俺「…」
 
麻美「…」
 
俺「ごちそうさまでした」 
麻美「聞いてる?私の話し?」
 
俺「聞いてるよ、どうしたらいいか、わかんないんだよ」
 「エリ、かわいいし、でも、俺、特別な感情はないかも」
 「そんなんで、付き合ったら、エリに悪くない?」 「上手に断るにしても、その後気まずいの、ヤだしなぁ」
 
麻美「いきなり、そんなに考えなくても良くない?」「普通に遊んでるうちに、そうなったら、それで」
 
俺「そんなんでいいのかなぁ?」
 
麻美「真面目だね、優斗」 
俺「真面目だよ、なのに、俺が麻美襲ったみたいに言われて、」
「思い出したら、腹立ってきた」
 
麻美「誤解は解けたでしょ」
 
俺「鼻血だしたって、お前のお袋さんも笑ってた」
 
麻美「言ってた、若いわねぇって」
 
俺「麻美、何笑ってんの!」
 
麻美「あっ、ごめん」
 
俺「…」麻美を睨んだ
 
麻美「いいじゃん、私のパンツ見れたんだから」
 
俺「だったら、もっとじっくり見ればよかったな」
「殴られ損だよ!」
 
麻美「…見たい?」
 
俺「あぁ見たいね、見せろよ」
 
麻美「はい」
一瞬スカートめくって見せた
 
俺「ばか、ホントに見えたぞ」
 
麻美「興奮した?」
 
俺「からかうなって」
 
麻美、けらけら笑ってる
 
頭に、よぎる
 
麻美は経験者
 
エロモードにならないよう、考えを振り切るように
 
俺「ごちそうさん、帰るわ」
立ち上がる俺
 
麻美が、俺の手を掴んだ
 
麻美「優斗、ありがとね」「殴られたとこ、大丈夫?」
 
俺「大丈夫だよ」
 
麻美が、俺を覗き込む
 
麻美「私、後悔してんだ…」
「あんな奴に…やられちゃって…」
 
俺「…初めてだったん?」…俺、何聞いてんだろ…
 
麻美「…違うよ…」
 
俺「…」
 どうしよう、言葉が出ない
 
固まってる俺に
麻美が
 
俺の肩に手をかけ、
爪先立ちになり
唇に、キスをしてきた
 
麻美「お礼だよ」
 
柔らかかった

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