《MUMEI》

周哉と秋穂が着替えている間に、弥生は帰ってきていてカレーを作り終えていた。
テーブルの席についた周哉の前に、弥生がカレーを持ってきた。
もちろん、カレーにはニンジンが入っている。
「あ、どうも」
「ふふ、味わって食べてね」
そう言いながら、弥生は自分の分と秋穂の分もテーブルに置いた。
「いただきます」
(弥生さんの料理の腕前はどんな物かな?)
周哉がそう思いながら、カレーを一口食べた。
「どう?おいしい?」
「すごい美味いです!何か人気の有る店の料理みたいで」
「そう言ってくれると嬉しいわ」
弥生が周哉の反応に少し笑いながら言った。
周哉が驚くほど、弥生の料理は美味だった。
「何でこんなに料理が上手なんですか?」
周哉の最もな質問に弥生は答えた。
「実はね、私の仕事ってシェフなのよ」
「それも結構有名なところのね」
弥生の答えに、秋穂が付け足す。
「へぇ、そうなんだ」
納得する周哉。
周哉が店の名前を聞くと、その店は隣町に有る安くて美味いと評判の店だった。
「今度食べに来てね」
「はい。友達連れて行きます」
その後、三人は学校の事などを話しながら、弥生の作ったカレーを食べた。

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