《MUMEI》
「なあ、起きろよ」
「…う〜ん、ムリ…」
「ダメだって〜、ほらあ早く」
「やだ〜…、はあ、日高ぁ、好きだ〜」
目を閉じたまま手探りで日高を引き寄せる。ふわりとボディシャンプーの香り、濡れた髪が頬に触れる。
細い体をきっつく抱きしめて髪を撫でると呆れた声がした。
「な〜平日なんだかんな?学校あんだかんな?シャワー早く浴びて来いよ」
「あ〜学校…、学校かあ、サボる〜日高もサボれってよ〜」
「それは絶対ダメだって!サボりなんてとんでもない!」
「は〜…マジメ…
まあそんなとこ好きだな、…は〜可愛い」
ほお擦りして背中なでなで。日高はもがきながら俺の肩をバチバチ叩く。
「ほら!もうマジで起きろよ!みんな寝てる間に風呂いけってば!そんな汗臭い体で外出れンのかよぉ」
無理やり起こされて静みかえる廊下を降り風呂場を案内された。熱いシャワーを浴びながら徐々に意識がはっきりしてくる。鏡の脇に置いてある置き時計を見るとまだ4時。
夢中でやり抜いて気がつけば日高が気絶していて、ペットボトルのお茶を飲みながら煙草を吹かしていた時携帯見て…
その時たしか2時だった。
「…はあ〜…、またやりすぎた〜」
簡単に洗って脱衣所に行くとバスタオルが置いてあった。
こそこそと全裸で降りてきた…つかそのままの格好で連れられたっつうか。
せめてバスタオルで隠せる事にホッとしつつ、こそこそと日高の部屋に戻った。
「パンツどうする?俺の履くか?」
日高の唾液で濡れたパンツを俺に渡しながら聞いてくる。
「あ〜いいよ、いったん家帰るから履いちゃうよ、つか日高の匂いつきなんて最高じゃん」
「…馬鹿か、も〜心配して損した」
着ていたシャツとデニムも身に纏い身仕度を完了させる。
「今から帰れば学校間に合うだろ?」
「う〜!サボりたい、サボろうよ」
「だからやだって、もう言う事聞けって」
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