《MUMEI》
異世界
「…本当の姿……?」


グレイドに言われてもう一度鏡を見る。


そこにはやはり、いまさっきと同じ顔が映っている。


頬を抓って見た。


「イテテテ……!」


更に思い切り顔面パンチした。


「イテテテ…っ!」


やっぱり夢じゃない。


途方に暮れていると、


「……行くか…。」


やけに落ち着いた声が聞こえた。


「行くって…何処に……?」


「俺の世界。」


「……えっ!?」


見ると、グレイドはまだあの暗闇を開いたまま、俺を見下ろしている。


「早くしろ。
結構これ、力使うんだぞ。」


そう言いながら、クイッと顎で暗闇を示す。


「…え…あ、はぃ…。」

取りあえず、クローゼットを開いて、急いで私服に着替えることにした。


さすがに制服じゃあ失礼だよな。


そうして、上半身裸になった時……。


「うわぁ!!」


背中に黒い物体が付いていた!!!!

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