《MUMEI》
姫華様の半生
そこには、姫華様がコンビニのバイトを始めてから


死ぬまでの、詳細が記されていた。


最初はバイトだった姫華様は、やがてその働きが認められ、店長になった。


車の免許もこの頃に取ったようだ。


そんなある日。


コンビニの前で、道に迷っていた外人を、姫華様が助けた。


その、金髪に青い瞳の青年は、それから姫華様のコンビニに何度も通うようになった。


この青年は、日本語も話せたが、二人で話す時、姫華様は英語で話していた。


姫華様は彼を『ブルー』と呼んでいたが、それは彼の本名では無いらしい。


別に偽名を使って騙していたわけではなく、それは、『本名がふさわしく無いから』と姫華様が付けた呼び名だった。


その『ブルー』の本名を、姫華様は『結婚したら教える』と周囲に言っていたのだが


結局、二人は結婚しなかった。


留学生だった『ブルー』は卒業後、就職と姫華様の事を両親に話す為に一旦帰国する。


『落ち着いたら、連絡する』


その言葉を信じて、姫華様は待ち続ける。


その後、姫華様の妊娠が発覚。


臨月間近になり、自分から『ブルー』に連絡した姫華様は、その後祐也を生み捨て…自殺した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫