《MUMEI》

「っと‥‥‥」

新木はおるんやろか‥‥。

辺りを見回してみる。

いーひんみたいやな‥。

「‥?」

一番奥の隅っこの席。

「ぁ‥‥‥」

あいつ‥。

≪ドクン‥ッ≫

かなり距離は離れとるはずやのに‥‥‥

せやのに何でかむっちゃドキドキしてきて‥。

あいつは本のページを捲りながらまるでウチが見とる事には気ぃついてへん。

視線はページに落とされたまま‥。

意識は本の世界の中。

声‥‥‥

かけてみよか‥。

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