《MUMEI》

「‥逃げられた‥?」

「「ハイ‥(汗)」」

「いやな、ちょっと喋っとる隙に──」

「バッ‥余計な事言うんじゃねぇッ」

「ま、仕方ないわね。とにかく今からでも遅くないわ。追いかけましょ」

≪ダッ≫

「ぁ、美春先輩っ」

「ぇ?」

「これ、落ちてたんですけど‥何か」

「‥? ──!」

「先輩?」

「ブレザーのボタン‥」

「逃げた人のですかね──」

「ええ、間違いないわ」

「でも何でボタン──」

「糸が切れたんじゃねーのか?」

「そうかしら」

「ぁ‥?」

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