《MUMEI》
アルフレッドの家族
翌日。


[…はい?]


アルフレッドの自宅を訪ねると、扉を開けたのは彼の妻だった。


[アル! あなた、ちょっと来て]


旦那様が自己紹介すると、彼女は慌てて夫の名を呼んだ。


彼女は、アルフレッドを『アル』と呼んだ。


やがて、部屋の奥から、アルフレッドが出てきた。


その足元には、二人の子供。


そして、部屋にはベビーベッドが見えた。


三人目は、この騒ぎの中でも熟睡していた。


[こんにちは、ブルー]


そう話しかけると、アルフレッドは固まった。


[ブルー?]

[失礼。あまりにも綺麗な青い瞳だから、つい]


首を傾げるアルフレッドの妻に、旦那様は笑顔で説明した。


[ちょっと出てくる]

[私達はここでも構いませんよ?]

[私も子供達も邪魔しないわよ?]

[…大事な話なんだ]


消え去りそうな声で言うアルフレッドの顔色は


[今度は顔色がブルーだ]


旦那様がそう言うように、真っ青だった。


そして、俺達は、アルフレッドと


『ブルー』と共に、旦那様が滞在しているホテルの一室に移動した。


「あなた方は、姫華の知り合いなんですね。彼女は元気にしていますか?」

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