《MUMEI》
友情と愛
「…これが…尚への試練だ」
どこまで耐えられるか。俺は自分への駆けでもある。
(まだ…別れたっていう訳でもない…俺はこうでもしなきゃ、答えが見えないんだよ…)

シーツを握り締め、髪を書き上げた。

その時、携帯が鳴った。

「もしもし…」
暗い声を出すと、宮だった。

「あんた!今居る!?」
(いきなりそんな事言われてもなぁ…)

「あぁ、居るけど」
「じゃあ今から行くから!」

そして、10分後…―
インターホンが鳴った。

「はーい…」
「これは一体どういう事よ!」
「待って…宮」
「何よ…?」

夜だと言うのにでかい声出しやがる…

「近所迷惑!話は中に入ってから!」

「あ…ごめん」

宮はスニーカーを脱ぎ、中に入った。


「…で?なんの用事かな?宮クン」
「知らないとは言わせないわよ」

宮はテーブル越しに俺を見つめる。

「あぁ…あれだろ?俺達が別れたって」
テーブルを勢いよく叩いた。
はっきり言って怖い…

「あんた達!一体全体どういうつもり!?…そりゃあ…別れる事は必ずしもある事だから仕方ないけど…」
宮も心配してるんだと思うと、少し、申し訳ないと思った。

「宮…これは試練なんだよ!俺達男同士の…」

「私は見損なったわ」

まさに聞く耳もないな…
その時、俺は起こったように振り向いた!

「…宮…?」
「私はずっと仮の恋人としてあなたを応援してた…いいザマね」

そうだ…これじゃ、意味がない…いくら、宮が協力してくれても、俺はどうする…?

(俺は…どうしたいんだ?)

「宮…今日は泊まるかい?」
「そのつもりだけど…飲み物そのまま持って来ちゃった…!」
「…じゃあ、俺、尚にメールしてみる」

そう笑って話すと、宮は安心したように笑った。

「そうしなさい…あなたを必要としているのは尚なんだから」
「…あぁ」

本当に宮が居て、ありがたかった…

「宮…?」
「ん?」

背中を向いて話す。
「ありがとう」
「いいえ…」

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