《MUMEI》 少年の望み「―――大異変のあと、人々は力を合わせてこの国を作りました………。 どんな物も分け合い、皆で助け合い、町を大きくしてきたのです。」 教科書を片手に、女性教師は子供たちに言う。 「皆さんもきまりをきちんと守り、よく勉強して…。」 先生の話を聞きながら、子供たちは一つ、空いている席を見ながら、ひそひそ喋っていた。 「ねぇ、ウ゛ァイスはまたサボり?」 「空を見に行ってるんじゃねえの!(笑)」 「いや、ネロの所かも。」 話をし続ける子供たちを見かねて、先生は咳ばらいをして、 「現代において、“管理者”が定めるきまりは、必ず守らなければいけません。」 話をしていた子供たちの方を向いて続けた。 「きまりを守らない人は、黒い警察(ポリツァイ)が…」 ――その時 一人の少年が――― ―――落ちてきた。 次へ |
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