《MUMEI》
タメ口
オレは生活の拠点を環さん家に移した。

聡理はかわいいけど、人生がかかってるのでここは我慢だ。

「じゃあ流理さん、私行ってきますね。頑張ってください」

「……あ、ハイ。行ってらっしゃい」

「やつれましたね…」

「そうですか?でも大丈夫です。これでも一応プロなんで、体調管理はバッチリです」

「ならいいんですけど……」

「早く行ってください。マネージャーさん、待ってるんでしょう」

「ハイ…じゃあ」

そう言えば有理に言われたんだけど、「いつまで敬語で話すつもりだよ?」…って。そんなこと言われたって困る。今さら無理だよなぁ。

どうやって有理は早苗さんとあんなに仲良く……て有理なら想像つく。

もともと破天荒な性格だから、いきなり最初からタメ口だったか、「面倒臭いからタメでいい?」ってお願いしたかのどっちかだろうな。

ってもうすでにタメ口だし。

今日環さんが帰って来たら、さりげなくタメ口使ってみようかな。

そんなくだらないことを考えて時間は過ぎていく。

そして決行の時。

「ただいま帰りました」

「……あ、環さん、おかえり」

「え」

「え?」

「今……おかえりって」

「あ、あああっす、すみません!つい…」

「そうじゃなくて、う、嬉しかったです。今の」

「嬉しかった?」

「だって今までずっと敬語だったから……。私もタメ口でいいですか?」

「そんなっ…!環さんの方が年上なんですから好きなだけタメ口で話してください」

「私、理想は有理さんと早苗さんなんです。だから、流理さんもタメ口でお願いします」

「ハイ……じゃなくてう、うん」

環さんは本当に嬉しそうに笑った。オレだって嬉しいです!

距離が縮まった感じってこんな感じなんだろうなぁ。

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