《MUMEI》

 ヴァイスの目に止まったそれは、腰ぐらいの高さのキノコのような形をした、赤い機械だった。



《モニターポストは事件や事故が起こらないように、管理者が用意したものです。》

 先生や親がよく言っていたことを思い出して、モニターポストと呼ばれるその機械に近づいていく。

《なので絶対に汚したり、壊したりしてはいけません。》



「…な〜んて言われちゃうとますます…。」

 悪戯っぽくモニターポストのカメラに向かって笑うヴァイス。

 大胆にも、ズボンのチャックを開け、ポストに向かって……放尿した……。

 スッキリしたと言わんばかりの表情のヴァイス。

――そこへ――

「何ヲシテイル。」

 機械的な声でヴァイスに話かける、一つの影があった。

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