《MUMEI》

「凄く綺麗な絵で‥ちょっと見るだけのつもりだったんです。洗い水の容器は後で片付けようと思って、その近くに絵を広げて眺めてたんです‥。そしたら‥」

『!?』

「誰かが近付いて来る足音がして‥慌てて絵を引き出しに戻そうとしたら‥‥‥」

≪バシャ‥≫

『!!』

「なるほどな、そんで絵を持ち出して逃げたって訳だ」

「夏芽君、そんな言い方しなくても‥」

「悪気があろうがなかろうが──」

「はいはい、そないにキリカリせんかて(苦笑)」

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