《MUMEI》
始まり
ヴアンパイア…夜を征する者。人の血や生気を奪い糧とする者。


その日はバイトの先の都合で、いつもよりも1時間ほど帰り時間が遅かった。

「うわ〜明日も大学あるのに…」

俺は夜が苦手だ。21歳にもなる男がバカみたいだけど、夜は闇に引きずり込まれそうで怖いんだ。

「最近ヘンな事件も多いしな…」
ヘンな事件とは男女とわず血を一滴も残さない死体が連続で見つけられている事だ。そう、まるでヴアンパイアにでもヤられたかの様に…

「ヴアンパイアなんて信じてる訳じゃないけど。こう、暗いとね…」
俺の住んでるアパートは昼間は子供達の遊び場、夜は幽霊の遊び場(電灯がチカチカなっているから)と言うちょっとホラーチックな公園の横を通り過ぎて徒歩2分の場所にある。
いつも本当にイヤで早足で帰るのに今日はなんとなく公園の方を見てしまった。

「えっ!人…?」
チカチカとする電灯の下に人が倒れている。瞬間、物騒な事が頭をよぎった。
ヴアンパイア事件。逃げ出したい衝動に駆られるけれど放って置く事は出来ずに恐る恐る近づいてそっと首筋に触れる。弱々しくもちゃんと脈があるのと、傷がないの確認してそっと胸をなで下ろす。
顔を見ればそれは男で暗闇でも美しいと思える様な整った顔をしていた。
縁起でもないけど本当にヴアンパイアの餌食にされそう。
「…もし明日、事件に巻き込まれてでもいたら目覚めが悪いしな」
誰に言う訳でもなく呟いてから俺はその男を半ば引きずりながらアパートへ帰ったのだ。

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