《MUMEI》 幼稚な嘘情事が終わると、祐也はすぐに眠りにつくが、旦那様はそんな祐也をしばらく眺め 自分と祐也の体を綺麗に拭いてから休むのが普通だった。 ちなみに、シーツは汚れが酷い時はすぐに換えるが、基本的には翌日に換えていた。 旦那様は、今日も変わらず俺が用意した濡れたタオルで祐也の体を綺麗に拭いた。 (…ん?) その日は、いつもと違い、祐也が起きていた。 一瞬俺と目が合うと、祐也は慌てて寝たフリをした。 …何故かムッとした。 「旦那様。…俺を愛して下さらなくなったあの日から、かわりを買っていると聞いておりましたが… そいつは… どういうおつもりで、こんな立派な小屋まで作って、飼っていらっしゃるのですか?」 (何を言ってるんだ?俺は) 祐也が俺の代わりで無い事も、祐也だけが特別な事も俺は知っている。 「忍…。 君を抱けなくなって、私は悲しかったよ。 …でもね。 今は、この子の事しか考えられないんだ。 こんなに満たされたのは、初めてなんだ」 「…そうですか」 (だから、何で俺は旦那様にこんな事を言わせてるんだ?) わかりやすくビクビクする祐也を見ながら、俺は軽く混乱していた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |