《MUMEI》

『でも一緒に行った方が、自分の気にいったやつが買えるぞ。』


紫吾は塁羅の手を握り、立たせようとした。


「触るな!」


塁羅は紫吾の手を振りほどいた。


『塁羅…?』


「紫吾が良いと思ったやつを買ってこい!僕は行かない!」


『あぁ…分かった、じゃあ買ってくるからな。』


塁羅は何も言わず、紫吾は部屋から出て行った。


塁羅は椅子の上で体育座りの体勢になり、顔を伏せた。

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