《MUMEI》 旦那様の尋問「昨夜の忍はおかしかったね」 「すみません」 「…どうして、祐也に聞かせたんだい? きっと、祐也は昔私が忍を抱いてたと誤解してるよ?」 (やっぱり気付いてたか…) 今朝になっても、祐也は明らかに昨夜の俺の言葉に動揺したままだった。 それなのに、そんな祐也を、旦那様は特に心配していなかった。 「試しただけです、祐也を。 どんな事があっても旦那様を愛していけるか」 これは、半分は本当だ。 俺と付き合った女もそうだが、普通、恋人の過去は気になるものだ。 特に、恋人の恋愛歴はその最たるものだろう。 過去、俺と旦那様は、すれ違ってしまい、愛し合った事はないが 俺が旦那様を 旦那様が俺を愛した事は、確かな事実だった。 「それで祐也が私を嫌いになったらどうしてた? 忍が付き合った?」 「そんなの無理じゃないですか! 旦那様の体は…」 「違うよ」 「…は?」 「私じゃ無くて、祐也だよ」 ドクンッ (何だ?) 旦那様の言葉に、俺の心臓が異常に反応した。 「忍は姫華もうっとり見てたし。 最近、祐也も、…見てるよね?」 旦那様の目が鋭く光った。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |