《MUMEI》

廊下を猛ダッシュで走り、廊下の一番奥の教室へ向かう。扉を力一杯開けてみるが、目の前には黒板に文字を書く人間がいた。真智は呼吸を整えながら口を開いた。



「もぉ〜何でいるのッ!!!まだチャイム鳴ってないじゃん。福チンの馬鹿ぁ」



「はい、進藤遅刻3回目ね。机俺の横に持ってきて笑」



ブツブツ言いながら窓側一番後ろにある机を前に持ってきて座った。教壇の横に置かれた席は、真智にとって慣れ親しんだ場所だ。クラスのみんなもクスクス笑いながらノートに字を書き写す。
真智も唸りながらであるが後ろを振り返ってノートに書き写していった。



「一週間はソコだからな、進藤」



黒板に字を書き終えると、福チンと呼ばれた長髪で丈の短めなスーツを着た女性が満面の笑みで真智に言う。
そんな中で授業は進められていった。気付く頃には、チャイムも鳴り授業の終わる時間だった。
道具を素早く片付けだす真智の元へ、1人の女の子が現れる。



「遥ッ!!!」



パッと顔を上げそう呼ぶと、目の前に立っていた女は怪訝な顔をした。



「もぉ〜真智の馬鹿ッ!!!何ケガしてんのさ。しかも学校来るの遅すぎ。一杯喋りたいことあったのにさ・・・・」



次々から出てくる言葉に真智は笑いながら聞いていた。遥は真智にとって高校で初めて出来た友達であり、何でも話せる相手だった。身長も高く、そこら辺の男よりもかっこいい美人な遥は自慢の友達だ。



「何笑ってんのさ」



「な〜んでも。ッてかね、さっき灰ちゃんと話してたら新しい理科の先生に会っちゃった。何て名前だっけか・・・?」



「湧出先生、でしょ。うちの女バスの顧問になってて超人気だよ」



「そぉなん?まぁ、確かにかっこ良かった。けどアタシ灰ちゃんのが好き」



ほっぺを赤くしながらおどけてみせる真智を見てため息をつく遥だった。



「そぉいえば今日って理科あるじゃん。良かったね遥ー」



「えっ、何で!!!?」



「いや〜どう見ても遥のタイプだもん。灰ちゃんの時もだったけど、遥イケメン好きでしょ」



遥は一瞬驚いた表情をしたが、大きく頷いた。入口には先生が来ているようで、みんな席につきはじめていた。遥も真智に言うと、自分の席へ戻った。



「進藤、またその席なのか?」



「何か文句?」



教壇に立った先生にそう言うと、顔を伏せて眠りについた。

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