《MUMEI》

1時間眠りについていると、急に肩を揺さぶられ驚いて跳び起きた。目の前にはまた遥がいた。はい、と教科書を渡すと廊下へ向かった。寝ぼけながら遥の後ろを着いていく。



「灰杜先生に会いたくないの〜?次は理科なんだけど」



灰杜という言葉に反応すると、遥を通り越して歩きだす真智であった。誰よりも早く理科室に辿り着くと、素早く教務室へ入る。



「灰ちゃ〜ん」



教務室に入ると、入口にいたもう1人の理科教師の女に睨まれる。そいつを睨み返すと、真智は奥へと進んでいった。



「お前な、ノックぐらいしとけよ?俺が怒られるんだから」



そう言いながらもホイと飴を差し出す。横に座っていた湧出はそんな2人を見て笑っていた。真智はそれに気付くと、湧出に向かって睨みながら舌をだす。



「灰杜先生、進藤さんに嫌われましたよ僕・・・・」



少しがっかりした様子でそう言う湧出に灰杜は笑いながら真智の頭を撫でると、生徒に呼ばれて部屋を出て行った。いつの間にか教務室には真智と湧出の2人になっていて、沈黙が流れる。



「進藤さんは、灰杜先生のことが大好きなんだね」



クスクス笑いながら湧出がそう言うと、少し頭にきた真智はシカトする。嫌いな先生の1人な気がしていた。しかし、湧出は話しを続けた。



「子供みたいな感じだね。恋愛には発展しないでしょ、相手は先生だし」



「先生、何が言いたいんですか?別に私灰杜先生のこと恋愛対象に思ってないんですけど。勝手に決めないでください」



そう一言口にすると、扉を激しく閉めて外に出て行った。



「あぁ――――胸糞わりぃなッ」


















そんな中、湧出は頭を伏せて自己嫌悪していた。



「何してんだよ俺ッ・・・・・・はぁ」




外を見れば、桜が舞っている。完全に散るのはもぉすぐだった。

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