《MUMEI》

(こいつ、何て力だ)


祐也が必死になって実力以上の力を出したのか


それとも、俺が油断しすぎたのか


その、両方か


とにかく、わけがわからないまま俺は祐也に押し倒されてしまった。


「ンッ…ンーッハッ…」

「ハァ、ハア……」


祐也の柔らかい唇と熱く絡み付く舌がようやく離れた。


(いい加減、気付いたか?)


俺と旦那様は全く似ていない。


普通だったら、間違えるわけない


…はず。


「っ…おい!」


ビッ!


(だからその力をどこに隠してたんだ!?)


俺のシャツを力任せに破る祐也に俺は目を丸くした。

ボタンもはじけとび、俺の胸や腹が


次の祐也のターゲットに決まったらしい。


「オイ、コラ!…ッ…や、め…」


祐也は俺の首筋や鎖骨に強く吸い付きながら、空いた手で肋骨を撫で


キュッ!


「ッ!」


強く胸の突起を摘んだ。


その後も撫でたり押したりと、刺激を与え続ける。


「こ、の、いい加減に…」

その時


『祐也を傷付けてはいけないよ、忍』


悲しい事に、こんな時にも俺は旦那様の命令には逆らえない事に


今、気付いた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫