《MUMEI》
合格発表
今日は由自の合格発表の日。

センター試験の日はオレが心配のし過ぎで胃潰瘍になるかと思ったけど、今日は本当に胃潰瘍になるかもしれないってぐらい気分が悪い。

「……由自、どう?」

「ん?ちょっと待って。え……と、あぁ受かってる」

「え?」

「合格だよ」

「は?」

「オレ俊と一緒に大学通うんだなぁ……」

「マジ?」

「今さら嘘なんかつくかよ」

「もっと喜べよ。あ、ほら、胴上げされに行ってこい」

「えーいいよ。オレでかいいから胴上げに適さないと思う。それより俊、早く帰ろう」

「え?もう?」

「うん。俊の溜りに溜った性欲を解放させる時がきたから」

「溜ってねぇよ」

「そんな言葉が通じるとでも思ってんのか?オレはあの俊の乱れを忘れてないぞ」

「う………」

オレとしては早く忘れたいのに、由自がいちいち掘り返してくる。

余計なことばっかり覚えてやがる。

でも言い返せないのでおとなしく由自の言う通り部屋に帰った。

玄関に入ってすぐ、由自は襲いかかってきた。

なんだかんだ言って、一番性欲が溜ってるのは由自だとオレは思う。

必死に由自を押し止めた。

「待て!お前はとりあえず実家に電話しろ。遅れて電話してみろ。なんで連絡がこんなに遅くなったか聞かれて答えられるか?」

「忘れてたって言えば大丈夫」

「オレも一応ウチに電話するからお前もかけろ。ほら早く」

最初は渋っていたものの、オレがケータイを手にしたので仕方なく自分もポケットの中を探り出した。

「ムードを壊した罰を覚悟してろよ」

……うっわぁ。ヤベぇ。

確かにこれまでずっと我慢してたんだ。

ちょっと軽く拒否っぽい止め方だったから、余計怒らせる原因になったかも。

「今日は、ヤれるだけのプレイをヤるからな」

明日足腰立たないな。

「まずは…そうだな、久しぶりだから最初は優しくいこうと思ってたんだけど、気が変わった。軽く鬼畜でいく」

「き……鬼畜?」

「簡単にはイかせないってことだよ」

「ふ、普通がいい……」

「ダメ。俊が悪いんだからな」

いきなり唇を合わせられる。油断してたところへ舌が侵入。

「ん……っあ、はぁ」

息継ぎする間も与えられない激しいキス。

由自の胸を叩き、ようやく解放してもらう。

「……あ、久しぶりにキスするからキスの仕方忘れちゃった?」

「………るせっ」

「ゴメンな、こんなにほったらかしにして。でも大丈夫。今日からまたオレを植え付けていくからな」

喜んでいいのかな、コレ……。

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