《MUMEI》

「そういや、どうしてここにいるんだ?」


そう言って、蓮翔ちゃんは俺と賢ちゃんを睨む。

「?」


「?」


「二人して連絡もなく消えやがって…。」


「何のことだ?」


「四年前っ!!
一緒に同じ中学行きたかったのに!
ったく何処に行ったんだよ?」


あ、そうか…


『留学してた。』


俺と賢ちゃんの声がハモった。


「りゅ、留学っ?!」


「ああ、アメリカ。」


そう言ったのは俺。


「俺はブラジル。
あ、でも、途中からフランス。」


俺の言葉に続けるように、賢ちゃんも話す。


「す、すげぇ…。
って、颯ちゃん、アメリカに言ってたの?」


今さっきまで目を吊り上げていた蓮翔ちゃんが嘘みたいだ。


物凄い目を輝かせている。


「どうだった!???」

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