《MUMEI》
入学 3
「じゃあ、今日の夜は約束通りに7時に家に来てね。お母さんと私でご馳走作って待ってるから。」
「わかった。ありがとうな。お祝いなんかしてくれて。」
「お礼なんかいいよ。これから長い間付き合っていくんだし。」
「そうか。じゃあお言葉に甘えさせてもらうわ。」
「うん。困ったことがあったら何でも言ってね。」
薄く形のいい七海の唇の間から、白い歯が覗いた。
「じゃあ、わたしは3組だから、また放課後ね。」
「おう。ほなな。」
お言葉に甘えさせてもらう、か。さっきはそんなことを言ったが、弘一は正直なところ、叔母に頭が挙がらない。
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