《MUMEI》
別々の昼食
   〜歩視点〜


お昼休みが始まっているのにも気付かず、両肘を机につき手に顎を乗せた状態でぼーっとしていると・・・


「あ―ゆ―む―くん」


っとニコニコしながら俺に近づいてくる男の声により現実に引き戻される。


「な、な、なんだよ気持ち悪いな・・・」


君付けで呼んだことなんてないくせに・・・


「今日の昼、屋上で食おうぜ」


俺の言葉などさも聞こえなかったかのように、俺に近づいてきた男――海は話を進める。


「屋上か・・・いいじゃん!」


海の提案に賛成し、立ち上がる。


「麗羅チャンは、今日は北川と食べるってさ」


海の言葉に俺は目を泳がせ、そっかっと返事をする。


そんな俺を海は、じっと見つめる。


俺が何だよっと言おうとした瞬間、海が行くぞっと言って歩き出したので大人しくついて行くことにした。


屋上へ着くと優しい風が頬を撫でる。


「今日もいい天気だな〜!!」


そう言うと海はフェンスにもたれてドカッと座った。


俺も海の隣に腰を下ろし弁当を広げる。


いただきますっと言って弁当を食べ始める。


隣を見ると海は弁当も食べずにじっと俺の方を見ていた。


「にゃんらよ(何だよ)?」


口にご飯を詰め込んだまま質問すると、海は俺の目をじっと見たまま静かに口を開いた。


「昨日、麗羅チャンと何があったんだ?」


俺は、その質問に肩をビクリと震わした。


「別に何も・・・・・


ないわけあるか―!!」


俺の答えに今度は海の肩がビクリと震えた。

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