《MUMEI》

「そんな、だって俺だってもうガキじゃねーもん」








「仁は?付き合ってる人いるの?」









「仕事?順調だよ、今すっげー楽しい、CM見てくれた?」









「…うん、幸せだよ、……うん、大切にしてくれるし、
…−−−−−めちゃめちゃ優しいよ、
……うん」







髪を弄る代わりに俺の手に指を絡める惇。




携帯からも穏やかな声が僅かに漏れている。

「…わかったけど、 マジで?う〜ん…、はーい…」

すると携帯を俺に向けてきた。


「隆志と話したいって」





「…………」


「………」




どうする?
なんていいたげな、ちょっと困った表情の惇の髪を撫で、俺は大丈夫という意味を含めて微笑みかけてやる。




俺は惇から携帯を受け取ると、惇は俺にくたりと体重を預けてきた。


「…もしもし」

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