《MUMEI》
‐茉莉‐
12時半‥。

屋上で──‥

ウチはあいつが来るんを待っとる。

「新木──‥」

来てくれるやろか‥。

来て欲しい。

せやけど来てくれへんかて‥

それでもええような気ぃする‥。

そう‥‥

ウチはすぐにこないして逃げ腰になってまうねん。

こんなんやから‥

いつまでも悩む事になるて‥‥

分かっとるはずやのに。

≪ギィ‥≫

「?」

扉の方を振り返る。

「‥!」

そこには‥‥

あいつがおった。

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